農薬と化学肥料を使わない栽培
胚芽米と雑穀セット
みんなが共に生きていくための地域作りを。
宮崎県都城市はもともと薩摩藩であったため、
鹿児島弁のような話し言葉を使うなど、薩摩文化が色濃く残る地域です。
広大な都城盆地では農業が盛んにおこなわれ、市町村別農業産出額合計が
全国第2位という日本有数の農業地域でもあります。
なのはな村の利用者も、地域業者が展開するほうれん草畑の草取りに勤しみ、
そして自らも農産物を育てるなど、農業とは身近な関わりを持っています。
なかでも作付け総面積約17ha(17000平方メートル)の穀類はなのはな村での主要生産物です。
これらは農薬と化学肥料を使わないで栽培しました。
胚芽米
玄米からぬかを取り除いて胚芽部を残したもので、
食感が白米に近く、玄米より消化しやすいのが特徴です。
また白米に比べ、ビタミンEやB1が豊富です。
洗う時は胚芽が取れないように、優しくさっと研いでください。
小麦の押し麦
ご飯と一緒に炊けるように、平らに押してあるので吸水性が良くなっています。
玄麦(表皮が付いたままの状態)なので食物繊維を多く摂取でき、
さらに小麦本来の成分であるビタミン、ミネラル、たんぱく質もしっかり取ることができます。
白米や玄米に少量混ぜることで、歯ざわりが良く小麦の甘みが感じられます。
なのはな村で30年間、種を取り続けているうるち品種になります。
もち麦
ダイシモチという大麦の品種で、モチモチした食感とプチプチした歯ごたえが特徴です。
食物繊維が非常に多く、とりわけ体の免疫力を高めたり、
腸内環境を整える効果がある、β-グルカン(水溶性食物繊維)が豊富です。
吸水性があまりないので、必ず1時間ほど水に浸してから炊いてください。
黒もち粟
色の黒っぽさが特徴で、南九州に昔からある希少な品種です。
たんぱく質が多くうまみが感じられ、鉄分、ビタミンも多く含まれています。
米一合に対して小さじ一杯を目安にすると、美味しくいただけます。
主食米以外の穀物自給率は、現在の日本では30%にも満たない状況です。
米に比べると収量が極端に減り、作業効率を上げる機械化もほとんど
進んでいないなどの実情があげられるからです。
しかし、日本人が古来より食してきた穀物は栄養価が高く、
適地適作で日本人の暮らしを支えてきた産物です。
なのはな村には作業に適した機械がほとんどありません。
だからこそ利用者の手仕事で、丁寧に作り上げられた産物には
「自分たちができること」の強い思いがこめられたものになりました。
できる人たちが集い、微力ながら皆の暮らしを支える、
そんな地域作りを目指し、今日も種をまいていきます。